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楽天・太田光 ライバル出現もその座は渡さない/チームを支える扇の要

 

ホームも定位置も死守できるか


 太田光がまさしく矢のような送球で、ピンチの芽を摘んだ。6月12日の阪神戦(楽天生命パーク)。1点ビハインドで迎えた5回二死一、三塁。マルテの打席の4球目にスタートを切った阪神の一走・中野拓夢の盗塁を太田が阻止した。

 中野は新人ながらここまで12盗塁をマーク。成功率100パーセントを誇っていた俊足ルーキーを、自慢の強肩で刺した。中野にとってはプロ入り後初の盗塁失敗となった。

 7月5日の時点で太田の盗塁阻止率は.375。ソフトバンク甲斐に続きパ・リーグ2位の数字だ。二塁送球は約1秒8の強肩。さらに新人時代から光山英和一軍バッテリー兼守備戦略コーチに指導を受け、地道に技術を磨いてきた。捕球後、送球体勢に入るまでの動作も無駄がなくなってきている。

 チームが80試合を消化した時点で、捕手ではチームトップの68試合に出場。リードでも成長の跡が見られ、正捕手争いでは一歩リードしている。だが、課題もハッキリしている。7月5日の時点で打率.196。自己最多となる3本塁打はマークしているが、やはり物足りない。

 チームは7月上旬、巨人から金銭トレードにより炭谷銀仁朗を獲得。石井GM兼任監督は炭谷に対して、「若い選手を育てながら、自分自身もスタートからマスクをかぶってもらえるようなものを望んでいます」と期待した。

 太田が評価されていることは事実だが、さらなる成長も求められている。激化した競争を勝ち抜き、扇の要に座り続けられるか。

写真=BBM
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