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巨人・小林誠司 「心身ともに一から鍛え直して、自分が一番ヘタくそなんだと思って勝負したい」と語るチーム最年長捕手/チームを支える扇の要

 

素早い二塁送球で一塁走者を刺す巨人小林誠司


 輝きを取り戻しつつある。小林誠司の“復活”を予感させたのは、7月6日の中日戦(前橋)だった。チームの今季78試合目にして6度目のスタメンマスクをかぶると、先発のA.サンチェスを7回1点の好投に導き、7回無死一塁では井領雅貴の本塁ベース付近に転がったバントの打球を素早く処理し、二塁への矢のような送球でアウトにした。持ち前の守備力で勝利に貢献した小林に、原辰徳監督は「もう、うちのリーダーだからね」と目を細めた。

 指揮官の言葉には奮起を促す意味が込められている。同4日、今季も44試合に出場していたベテラン捕手の炭谷銀仁朗楽天へ、文字どおりの電撃移籍。チーム内では捕手最年長となった32歳の小林には出場機会の増加も見込まれ、期待が高まっている。

 2016〜19年には4年連続で盗塁阻止率リーグトップを記録し、17年に行われたWBCでは正捕手として打っても打率.450と大活躍を見せた。しかし、チーム内では18年に強打の大城卓三、19年に西武からFAで経験豊富な炭谷が加わり、近年は3捕手併用制で出番を分け合った。

 昨季は2度の骨折などでわずか10試合の出場にとどまる中、大城が正捕手格として台頭。ベストナインも獲得している。24歳の岸田行倫も成長を見せる中、小林は「今までに経験のない悔しさだった。もう一度、心身ともに一から鍛え直して、自分が一番ヘタくそなんだと思って勝負したい」と覚悟を明かしている。

 二軍で多くの時間を過ごした小林に、チャンスが訪れている。

写真=BBM
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