今季から加入したエチェバリアは新型コロナの影響で来日が遅れ、一軍合流は4月下旬と遅れた。メジャー通算922試合に出場した華麗な遊撃守備が魅力で、打っても通算37本塁打を記録している。

　チームメートからは「エッちゃん」と呼ばれるなど、すぐにナインとなじんだ新助っ人は、5月29日の広島戦（ZOZOマリン）で来日1号となる3ランを含む3安打を放ち「さあ、ここから！」と調子を上げたが、5月31日に出場選手登録から抹消された。

　理由は右肩痛だ。異国で出鼻をくじかれ、心も折れそうだったが、二軍でもまじめにリハビリに取り組んだ。一軍に再合流した7月5日は、首脳陣への状態報告を目的に、練習参加だけだと思っていた。

　ところが、発熱のあった横山陸人と濃厚接触の可能性がある安田尚憲が『感染拡大防止特例2021』で出場選手登録を抹消され、その日の楽天戦(ZOZOマリン)から緊急昇格。「正直なことを言うと、まったく準備してなかった。今日は練習だと思っていた」と振り返るが、スタメンで起用されると4回に西口直人から左中間へ来日2号を運んだ。

「いきなり『準備できてるか？』と聞かれ、それでいくんだと分かった。急だったけど、パッと切り替えて試合に臨むことができた」

　右肩については「痛みは感じていない。治療を続けてどんどん良くしたい」と頼もしい。前半戦を振り返れば、決して満足できる成績ではないかもしれないが、復帰戦でマーティン、レアードとの助っ人トリオでアーチ共演も見せた。やっぱり、エチェバリアいるとチームの厚みは増す。

写真＝BBM