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ロッテ・佐々木朗希 戦力として自らの力を証明/前半戦ベストゲーム

 

5月27日、大船渡高時代には届かなかった甲子園でプロ初勝利を挙げたロッテ佐々木朗希


 メモリアルな1勝になった。5月27日の阪神戦。聖地・甲子園で最速163キロを誇る『令和の怪物』がプロ初勝利を挙げた。

 佐々木朗希がプロ2度目の先発マウンドで、5回7安打4失点。2対3の5回はサンズに右翼線へ適時二塁打を浴びて2点差とされたが、なおも二死一、二塁で梅野隆太郎を遊ゴロ併殺に斬ってしのいだ。その直後に、打線が3点を奪って逆転勝利を飾った。

「ウイニングボールは両親に渡したい」──

 父を東日本大震災で亡くしている19歳の若者が試合後に残した言葉は多くのファンの胸に突き刺さった。この試合の意味は、単に話題として盛り上がっただけではない。井口資仁監督は「戦力として起用している」と、これまで繰り返してきた。

 優勝争いを繰り広げるチームにとって、将来有望なプロスペクトといえども、結果を残せなければ、大事な試合を任せることは不可能となる。チームが勝利と育成を両立するためにも、佐々木朗が自らの力を証明し、勝利を収めたことは、とても大きな出来事だった。

 前半戦は5試合に先発し、1勝2敗、防御率3.76。7月9日の日本ハム戦(ZOZOマリン)では5回4失点の内容に、佐々木朗は「ボールが先行しリズムがつくれなかった」と反省した。

 東京五輪期間中は、修正点を見直す最適の時間となる。まだ19歳。スポンジのような吸収力で急成長を遂げれば、最後は優勝争いのキーマンとなる可能性も十分だ。
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