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「顔に出ないだけ」勢いに乗せたオリックス・宮城大弥/前半戦ベストゲーム

 

前半戦リーグトップタイの9勝を挙げたオリックス宮城大弥


 前半戦首位ターンの勢いをもたらしたのは、3月27日に敵地・メットライフで挙げた今季1勝目だ。

 宮城大弥が西武打線を封じ込んだ。今季初先発で7回5安打2失点(自責1)と好投し、初勝利をマーク。球団では阪急時代の57年米田哲也以来の快挙となる開幕カードで10代先発勝利だった。

「思った以上の投球ができた。昨日チームが負けてしまったので、今日は『絶対勝つ』と思ってました」

 本能に従った。4回無死、相手四番・山川穂高を迎えた場面。何度もファウルで粘られた9球目だった。
「スライダーを投げる瞬間に『打たれるかファウルになる』と。勝手にカーブに変えました」

 内角低めの114キロのカーブで空振り三振に仕留め、相手主砲にヒザをつかせた。

「初回にスライダーを打たれた。直球、チェンジアップもファウル。大きく曲がる球は投げてなかった」

 最速は148キロのストレートで、最遅は96キロのカーブ。遅速を使って緩急を生かし、曲がりの大小を二段に構えるカーブもあり自在に球種を増やしている。

 7回123球。中嶋聡監督の52歳の誕生日を勝利で祝った。

「緊張します。顔に出ないだけで、落ち着きはない。うろうろロッカーを歩き回ってます」

 ただ、勝負のマウンドでは堂々と胸を張り、前半戦の成績は14試合に登板して9勝1敗、防御率2.10。勢いに乗った19歳左腕が、チームの貯金を作り上げた。

 1996年以来、25年ぶりのリーグ優勝を狙うチーム。今季前半戦は記憶に残る試合が多かったが、宮城の今季1勝目が勢いに乗せた。

写真=BBM
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