不動のセットアッパーとして、前半戦29試合に登板し、防御率1.88と抜群の安定感。昨年に続き、今季もブルペン陣を支えてきた唐川侑己だが、6月17日に出場選手登録から抹消されている。
首痛が理由だ。当初は軽症と思われていた。事実、
井口資仁監督も「交流戦の最後3試合を休養すれば、その後は大丈夫だと思う」と話していたが、思いどおりにはならなかった。経験豊富な右腕が、球宴前に復帰することはできなかった。
現在は二軍に合流してリハビリを行いながら、トレーニングにも励んでいる。登板間隔が長く空いたことで、今後はコンディションが回復してから、二軍で実戦登板を経験する必要性も出てきた。
オフは
益田直也、
岩下大輝らと石垣島で走り込んで体を仕上げた。開幕後も好調をキープしていただけに、思わぬ離脱となったが、それでも五輪期間と重なったことで、治療に専念できる環境となったことは、不幸中の幸いだ。
肩ヒジの故障ではないが、首という繊細な部位だけに、まずは万全の状態に戻して、一軍に戻ればいい。守護神・益田は健在で、唐川が抹消されてからは、
佐々木千隼がその穴を埋める。5年目右腕は前半戦31試合に登板し、防御率1.06をマークし、自身初の球宴にも出場した。
6、7、8回のどこでも任せられる唐川が戻ってくれば、
ハーマンを含めた強力リリーフ陣を再構築できる。首位争いを繰り広げるチームにとっては、変幻自在な投手起用も可能で、それが大きな武器となる。
写真=BBM