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DeNA・東克樹 表舞台はすぐそこに/再起を目指す

 

イースタンでは復帰後、3試合連続で無失点と順調な回復ぶりをアピール。予想より早い段階で一軍復帰もありそうだ[写真は2019年]


 華やかな一軍の陰で歯を食いしばり、もがいてきた。東克樹の取り組みが、ようやく実を結ぼうとしている。7月11日に行われたイースタン・リーグのロッテ戦(平塚)。「長い長いリハビリがあり、一喜一憂しながらも、この日を迎えられたことをうれしく思います」と言葉に実感を込めた。昨年2月に左肘内側側副じん帯再建術(トミー・ジョン手術)。2019年8月23日の巨人戦(東京ドーム)以来、実に688日ぶりとなる実戦登板に臨んだ。

 2回を34球、1安打無失点で4奪三振。「野球を楽しむことができた」と前を向いた。24日の日本ハム戦(横須賀)は3回を2安打無失点。5月に一軍復帰する当初の計画よりは遅れたが、球数、イニングともに伸ばしていく段階に入った。「歴史に名を刻むぐらい、高い志を持ってやりたい」と決意し、18年にドラフト1位で入団。1年目からチームで唯一となる11勝を挙げ、新人王にも輝いた。「いい投手は何年目でも活躍できる」と2年目のジンクスに挑んだ翌19年。キャンプから左ヒジの違和感で出遅れ、わずか7試合で4勝にとどまった。

 症状は改善せず、常に不安がつきまとった。長期のリハビリを伴うトミー・ジョン手術。「自分にとって必要な1年だった」と精神的にも強くなった。最下位で前半戦を終えたチームの先発陣は、左肩手術を乗り越えた今永昇太や一時期の不調を脱した大貫晋一らを軸に充実傾向。背番号11も浮上へ不可欠な戦力だ。8月14日に再開するレギュラーシーズン。表舞台は手の届くところにある。

写真=BBM
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