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中日・根尾 昂 後半戦二軍スタートも勝負はこれから/甲子園のヒーローは今

 

根尾 昂


 前半戦は一軍にいさせてもらった。大阪桐蔭高で甲子園3度の優勝を経験し、4球団競合の末に入団した根尾昂。3年目の今季、一軍出場は外野のみ。遊撃の出場はかなわず、与えられた役割の中心は試合終盤の守備固めだった。

 誰もがうらやむ経歴をもつ。岐阜県飛騨市出身。スキーをやればイタリアでの国際大会に出場し、野球では中学時代に所属した「飛騨高山ボーイズ」で最速146キロをマークした。学力も学年トップ。高校進学後は2年春から甲子園に出場し、いきなり優勝を経験。4季連続で聖地の土を踏み、3年では春夏連覇を達成した。

 プロ入り後の過去2年間は、ファームで遊撃を守り続けた。打席を与えられ、守備のミスにも目をつぶってもらった。首脳陣の描いた行程表があるのなら、3年計画。そして今季は開幕一軍スタートで、左翼スタメン出場を果たした。

 だが、成績が振るわない。打率.169、1本塁打、13打点。172打席で50三振。バットはことごとく空を切った。

 後半戦は二軍スタート。評価できる点は「送球のよさ」と指揮官は語る。ただ、求められているのは打撃力。ウエスタン・リーグでは8月22日までで、出場12試合で打率は.140と不甲斐ない。

「与えられた役割を果たせるプレーヤーになりたいです」と根尾。期待に応えられないのは苦しい。だが、期待されなくなったらもっと苦しい。根尾ブランドを輝かせるために、21歳はガムシャラにバットを振り続けている。

写真=BBM
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