正二塁手の座を奪い返す。前半戦のピンチを救った吉川尚輝が、後半戦初戦から戦列に戻り、二塁で出場を続けている。
何度も故障離脱を経験してきた男は、またもケガに見舞われたのは6月10日のことだった。
オリックス戦(京セラドーム)で、
山崎福也の投球を左手に受けて交代。病院で検査を受け、左手中指末節骨骨折、左手中指爪根脱臼と診断された。
今季は開幕をベンチスタートで迎え、初安打まで17打席を要したが、5月以降、
坂本勇人、
梶谷隆幸ら主力が故障で離脱し、
丸佳浩も大不振に陥った中で打線を支えた。5月22日の
中日戦(バンテリン)からは三番に起用され、交流戦は打率.373。「後ろに良いバッターがたくさんいるので、つなごうという気持ちで打席に入っている」と献身的な姿勢で、
岡本和真とともに打線の中心を担ったが、好調だった矢先に離脱を余儀なくされた。
それでもオリンピック開催による中断期間が追い風となり、その間に実戦復帰を果たすと、二軍戦3試合で15打数5安打をマークするなど猛アピール。一軍復帰までにはもう少し時間がかかると思われていたが、この試合を視察していた
原辰徳監督が「本人も非常に気力も充実してるなというふうに判断しています」と後半戦初戦の二塁スタメンを託した。
吉川は「もっとがむしゃらに、アピールしていかないといけない立場」と、レギュラー再奪取を目標に掲げる。8月28日の中日戦(バンテリン)からは再び三番を任され、31日のヤクルト戦(岐阜)では地元で3安打4打点の活躍を見せ、「故郷に錦を飾った」(原監督)。
北村拓己、
若林晃弘、
広岡大志ら二塁のライバルも多いが、持ち前のセンスと高い身体能力を武器に、リーグ3連覇へのキーマンとなる。
写真=BBM