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ソフトバンク・森 唯斗 何があろうとも、守護神への信頼は変わらない/タイトルホルダーの意地

 

鉄腕・森が左ヒジ手術を経て、ようやく一軍に戻ってくる


 8月21日、タマスタ筑後の真っさらなマウンドに背番号38が上がった。左ヒジの異変に悩まされた森唯斗が114日ぶりに実戦復帰。簡単に二死を取ったあと単打を許したが、後続を見逃し三振で退けた。

 最速は142キロだった。「まずは楽しみたいという思いでマウンドに上がったし、やっとスタートラインに立てたのかな。内容というよりも、この日を迎えられて、無事に投げられたことが一番よかった。体も全然問題ない」。復活途上の晴れやかな表情が、苦難の道中を物語っていた。

 ルーキーイヤーから7年連続50試合以上に登板してきた鉄腕だけに、思わぬ出来事だった。4月末に左ヒジ関節の化膿性滑液包炎の診断を受け、出場選手登録を外れた。症状の改善を待ったが、1カ月後に手術を決断。2度の入院生活を経て、約4カ月もマウンドから遠ざかった。

「今まで経験したことがなかったので、ものすごく長く感じた。いろいろと関わってくれた方に感謝している。一番はそこですね」

 倉野信次ファーム投手統括コーチは「指に掛かった球も多かったし、制球力もさすが」とうなずいた。セーブ王に輝いた2018年から3年連続30セーブ超。工藤公康監督は復帰後の起用法について「迷わないよ。信頼というか、それだけのことをやって実績も残しているから」と即、抑えを任せることを明かしている。

 8月25日のウエスタン・中日戦(ナゴヤ)で2度目の登板。今度は中継ぎで1回を無失点に抑えた。次は9月3日の同・広島戦(由宇)で自身にとっての“持ち場”である9回に登板し、昇格を判断することになる。左手首の違和感を訴えているL.モイネロ不在が続く中、その足音が頼もしい。

写真=湯浅芳昭
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