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DeNA・山崎康晃 役割は変わっても目指すは勝利のみ/タイトルホルダーの意地

 

真っすぐとツーシームに加えて、カットボール、チェンジアップを使うなど投球スタイルの変化が結果につながった


 新境地の開拓と言っていいだろう。こだわりの強いクローザーのポジションではないが、山崎康晃はプロ7年目で充実のシーズンを送っている。9月3日までに挙げた26ホールドポイント(HP)はセ・リーグ2位。クローザーの三嶋一輝につなぐ勝利の方程式としてチームの屋台骨を支えている。

 2018、19年のセーブ王。プロ入り以来、積み上げてきたクローザーの地位は、昨季の不振で失ったが、中継ぎとして再スタートを切った今季は口ぶりからも前向きな姿勢が見て取れる。東京五輪の日本代表に合流した際、自ら「チームでも今は守護神とは違う場所で投げている」と切り出した。「任せていただいたところで腕を振って、チームを中のほうで引っ張っていきたい」と役割を語った。

 その五輪で大きな経験を得た。2試合に救援登板。それ以上に、ブルペンで奮闘した。「ツイッター用のカメラを持ってみんなの前に現れたり、ブルペンの中で会話を増やしたり」。レギュラーシーズンと異なり、五輪は登録メンバー全員がベンチ入りする。栗林良吏(広島)や伊藤大海(日本ハム)ら初代表組を和ませ、ベテラン勢との橋渡し役も買って出た。まさに抑えではできない役回りだった。

 一体感が誇る強さは、金メダルが証明した。「侍でできたことは、チームでも必ずできる。ブルペンに良い雰囲気をもたらせていきたい」。日の丸での経験をチームに還元し、後半戦は巻き返しの旗振り役を担う覚悟でいる。

写真=大賀章好
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