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日本ハム・今川優馬「執念!」で新風吹かせる元気印が待望の初アーチ/ドラフト下位入団選手の今

 

9月12日のソフトバンク戦で初本塁打を放ち満面の笑顔でファンの声援にこたえた


 昨年のドラフト6位で入団した今川優馬はチームに新たな風を吹かせている。ルーキーイヤーの主戦場・二軍では、今川が発する「執念」という言葉が浸透した。チャンスでもピンチでも、どんなときでも元気な声で「執念!」という言葉がグラウンドに響き渡る。目の前の1試合、1球に全力を尽くす野球スタイルを貫いている。

 持ち前の長打力も発揮し、9月15日現在でイースタン・リーグでは61試合に出場し、14本塁打をマーク。5月1日に新型コロナウイルス感染が判明し、療養の影響で一時は体重が約7キロ減るというアクシデントも乗り越えて元気よくアピールを続ける。

 そんな野球に対する真摯な姿勢は、周りの若手選手にも伝播した。気付けば、「執念」という言葉は誰もが口にするようになった。近年は二軍も同リーグで成績が低迷していたが、今季は上位争いに食い込む。また、二軍本拠地の千葉・鎌ケ谷では「執念グッズ」が7月上旬から発売。タオルは選手も試合中にベンチで掲げるなど、前向きでひたむきに勝利を目指す今川の存在感が、チームを変えようとしている。

 脳しんとう特例措置として抹消された近藤健介に代わり、代替指名選手として急きょ一軍に昇格した9月12日のソフトバンク戦(札幌ドーム)では、「六番・左翼」で出場し、第1打席で待望のプロ初安打となる1号2ランを放った。「巡ってきたチャンスを執念でつかみ取りたいという一心で振り抜きました」と一軍でもひたむきな姿勢は変わらない。打力の高い選手がそろう外野陣の中でチャンスを勝ち取るには、打撃と守備力で安定感が求められる。道産子で生粋のファイターズファンでもあるニュースター候補の唯一無二のキャラクターは誰もが認めるところ。チームの新時代を切り開くために、牙を研いでいる。

写真=BBM
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