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ソフトバンク・板東湧梧 大事な場面も全力で、爽やかに/ドラフト下位入団選手の今

 

緊迫した場面も任されるなど、数多くの経験を積んでいる板東


 端整な顔立ちの右腕がブルペンに欠かせない存在となっている。板東湧梧は2019年ドラフト4位入団。3年目の今季、プロ初セーブをマークした。8月22日のロッテ戦(PayPayドーム)。不動の守護神・森唯斗は故障離脱中で代わりの岩嵜翔も2連投中だったため、代役の代役として9回のマウンドが巡ってきた。無失点でゲームセット。「いつも以上に緊張しました。自分の持っている力以上のものは出ない。普段どおりの自分の投球を心掛けた。(捕手の)高谷裕亮さんに助けてもらい、本当に感謝です」と、爽やかに汗を拭った。

 ここまでは決して順調な道のりではなかった。JR東日本から即戦力として入団。同期の甲斐野央が1年目からフル回転する中、ルーキーイヤーは一軍登板なしに終わった。2年目にはプロ初勝利を挙げるなど台頭したが、シーズン終盤に右ヒジ痛で離脱し、手術も受けた。「ケガをした悔しさのほうが大きい」と満足できる1年とは言えなかった。

 手術の影響で開幕には間に合わなかったが、スライダーを磨くなど二軍で出番を待った。「チームに必要としてもらえる選手となれるよう、目の前の試合を全力で投げて結果を残すだけです」と強い決意を持って5月に一軍昇格。L.モイネロ、森ら勝ちパターンのリリーフ陣に故障が相次ぐ中、結果を残し、大事な場面での登板も増えていった。もちろん失敗もある。9月3日のオリックス戦(PayPayドーム)では9回に失点し黒星を喫すると、工藤公康監督も「それだけ9回は難しいということ」と思いやった。3年目、酸いも甘いも味わっている。

写真=湯浅芳昭
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