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ヤクルト・塩見泰隆は三拍子そろうリードオフマン/ドラフト下位入団選手の今

 

打てる、走れる、飛ばせるの三拍子もそろう


 いまや、スワローズに必要不可欠な存在だ。4年目の外野手、塩見泰隆は今季主に一番打者を任され、9月16日現在で104試合に出場し打率.283、10本塁打、40打点、19盗塁。リードオフマンとして、躍進するチームを引っ張っている。

 2017年秋のドラフト会議で4位指名を受け、社会人・JX-ENEOSから入団。50メートル走を5秒9で走り、帝京大時代には練習場のあった山間部でイノシシを追い掛けていたというエピソードを持つ快足の持ち主。度重なる故障でなかなかレギュラーの座をつかめなかったが、今季は開幕から一軍に帯同し、高い身体能力で好結果を残している。

 魅力は「足」だけではない。パンチ力のある打撃も光り、「積極性が持ち味」と口にする。東京五輪でプロ野球が中断した期間に行われたエキシビションマッチでは、打撃成績が振るわず「焦っていました。まだまだ結果を出さないといけない立場ですし、打たないと後半戦に入っていくのに不安だった」。それでも、打撃コーチとフォームの修正や意識改革に取り組んだ。

 イメージするのは、下半身で打つこと。「『打ちたい』となると、どうしてもトップの位置だとかを探りながら打ちにいくことになるので、1テンポ遅れてしまう。下半身で探りにいって、下半身で打つイメージです」。シーズン再開前にはしっかりと仕上げ、9月3日の広島戦(東京ドーム)では、1回に初球先頭打者弾を放ち、自身初のシーズン2ケタ本塁打に到達。攻守走で存在感を放つ背番号9が、逆転Vには欠かせない。

写真=BBM
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