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中日・小笠原慎之介 プロ6年目の悲願達成へ/ラストスパートに懸ける

 


 初の規定投球回クリアへまさに正念場だった。9月13日のヤクルト戦(バンテリン)の先発は小笠原慎之介。1点リードの7回、一死一塁で右の代打の切り札、内川聖一が打席に入る。

 首位打者2度のバットマンを相手に143キロの直球をインコースに投げ込んで見逃し三振。ここで盗塁と捕手の悪送球で二死三塁となるも、塩見泰隆をチェンジアップで空振り三振に仕留め、「ヨッシャー!」と雄叫び。力強く左拳を握った。

 7回無失点の小笠原の力投を又吉、R.マルティネスが守り切り、7勝目を挙げた。「いやー、白星欲しかったですね」と思わず笑みがこぼれた。これで投球回は116となり、シーズンの規定投球回143まで27となった。

「気を抜かず、何とか最後まで長いイニングを投げたいですね」。シーズン終了までに4試合程度の先発が予想される中、コンスタントに試合をつくれれば悲願達成となる。

 今季は150キロを計測するなど、最大の長所である直球の威力が戻ったことで変化球の効果も増した。「一番は壊れても言いやという開き直りですかね。今年ダメなら終わりという気持ちだった」。

 昨季は1勝3敗、防御率7.11。甲子園優勝左腕も入団6年目。そろそろ一本立ちができないと……。嫌な予感を払拭すべく、1月は大野雄大にお願いして自主トレをともにした。考え方、フォーム、調整方法。ゼロベースで見直した成果が結果に結び付きつつある。

 9月20日のDeNA戦(横浜)は5回6失点。中5日で登板となった26日のヤクルト戦(神宮)は3回3分の1で10失点。投球回は124回3分の1となり、規定投球回まで18回3分の2となったが、2試合連続で序盤の大量失点はいただけない。

 好不調の波が激しいのは気になるところだが、「自分らしい投球を続けたい」――その先に一皮むけた自分がいるはずだ。

写真=BBM

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