開幕・四番を任され、今季は三塁のスタメンとして誰よりも名前を連ねている。優勝争いを繰り広げる日々を過ごす中で、安田尚憲は「まだレギュラーのポジションを奪ったわけではないので」と力を込める。
「ここからの試合は、自分にとってもチームにとっても、すごく大事な戦いになってくる。これまで以上にピリついた展開も多くなるので、そういったところで、本来の実力が出てくる」
将来のチームを支える大黒柱として期待される。パワフルな打撃はもちろんのこと。引っ張るだけでなく、逆方向への打撃もできて、勝負強さも備える。四球をもぎとるような選球眼もある。
ただ、そんな規格外の才能を見せる一方で、物足りなさを感じることもある。波が大きいのだ。
8月25日の
日本ハム戦(札幌ドーム)からは8試合で26打数16安打、打率5割をマークし、6打点1本塁打と大爆発した。ところが、9月5日の日本ハム戦(ZOZOマリン)でノーヒットに終わると、四球や犠飛でチームに貢献こそするものの、快音を響かせられない試合も1週間以上続いた。
シーズン途中でメジャー屈指の守備力を誇る遊撃手・
エチェバリアが加入したことで、今季安定した打撃を続ける藤岡が遊撃だけでなく、三塁を守ることも増えた。
プロ4年目の課題は「受け身」になってしまうことだ。
「技術的なことだけど、しっかりと投手に入っていく。あまり、重心を後ろに残さないように打席に入りたい」
誰もが認める本物のレギュラーとなるためには、やっぱり安田は圧倒的な打撃を見せなくてはならない。
写真=BBM