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DeNA・今永昇太 最後の巻き返しへフルスロットル/ラストスパートに懸ける

 

本拠地での今季初勝利を飾った翌週、9月19日の中日戦(横浜)では9回を投げ切り完投勝利。ソトとともにお立ち台に立った


 努力が報われた。今永昇太が言葉に実感を込めた。「この日のために頑張ってきた、と言っても過言ではない。帰って来られてうれしい」。9月12日の阪神戦(横浜)で上がったお立ち台。8回を1失点、11奪三振。昨年10月に左肩のクリーニング手術を受け、本拠地・横浜スタジアムで待望の初勝利。7月14日以来、後半戦初白星となる4勝目は格別の味だった。

「今永=〇〇というものを増やしていきたい」と一軍復帰を目指したリハビリ中から思い描いてきた。自身の開幕は5月23日のヤクルト戦(神宮)。持ち球のチェンジアップにフォークを加え、投げ分けられるように取り組みが始まった。球速130キロ前半で、ストライクゾーンから沈ませるのがチェンジアップ。130キロ後半から140キロの新球はシュート気味の軌道で、三振より凡打を誘うことを理想にした。「3-2のカウントから投げられる持ち球を研究しなければいけないと思った」。登板を重ねるごとに手応えをつかみ、当初は同じだった捕手のサインもそれぞれに分けられた。

「自分の勝ち負けで一喜一憂しない。自分が投げた試合でチームが勝つこと。チームを勝たせることを考えなければいけない」。プロ6年目の28歳。東京五輪による中断時間には「これからの僕の上積みって何だと思いますか?」と伊藤光に尋ねた。「昇太には1球で(勝負を)終わらせられる直球がある」と女房役の返答は原点を思い出させてもくれた。向上心の塊のようなエース左腕。巻き返しへアクセルを強く踏み込む。

写真=井田新輔
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