プロ1年目は、充実のシーズンと言えるだろう。ドラフト4位で入団した内野手、元山飛優は遊撃手のレギュラーをつかむため開幕から一軍で汗を流し続けている。
期待も大きい。背負う番号は「6」。ゴールデン・グラブ賞を10度受賞し、通算2133安打を放ったOB・
宮本慎也氏が現役時代に19年間背負った番号だ。「宮本さんに少しでも近づきたい」と偉大な先輩の背中を追っている。
ただ、プロの世界は甘くない。22歳は壁にぶつかった。前半戦の終盤はなかなか結果が出ず、
吉田大成らにスタメンを譲る機会も増え「ファンの方の目の前でプレーできるので、すごく羨ましいなと思っていました。出られなかったので、何とも言えない気持ちになって本当に悔しかったです」。もやもやした気持ちが溜まっていった。
それでも、その時間を無駄にするわけにはいかない。守備の際、ベンチでは
福地寿樹外野守備走塁コーチらに場面ごとに意識する部分などを質問。「ただ見ているだけじゃ何も得られない。その時間もすごい大事だと思いました」。悔しさは胸にしまい、成長するための時間にした。
今季は、23日時点で86試合に出場し、打率.258、3本塁打、17打点。
西浦直亨らと定位置を争いながら、不動のポジションとするべくアピールを続けている。
「飛び抜けて優れるように」。父・誠司さんが名前に込めた思いだ。目標は「世界一のショートになること」。まずは、ルーキーイヤーを一軍で完走する。
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