リーグトップと1本塁打差の柳田。初の栄冠は射程圏内だ
自身初の本塁打王に向けて、
柳田悠岐がフルスイングを続ける。9月15日の
ロッテ戦(PayPayドーム)。3点を追う3回二死二塁で、
美馬学の初球のカットボールを右中間テラスにたたき込んだ。「少し詰まったけどオーバーフェンスになってよかった」と振り返った26号2ラン。この時点で
オリックス杉本裕太郎に並び、リーグトップタイに浮上した。前日14日には自力Vが消滅。この試合も序盤に3点を先行される重苦しい展開だったが、バットでベンチを鼓舞した。
これまで首位打者には2度輝き、2015年にトリプルスリーを達成するなど過去3度シーズン30発超えを果たしているが、最多本塁打のタイトルは手にしていない。今季は幸先よくロッテとの開幕戦で1号を放つと、その後もコンスタントにアーチを量産。前半戦ラストカードの7月13日の
楽天戦(PayPayドーム)では、同い年の
田中将大から22号を放つなど、リーグ単独トップでシーズンを折り返した。
東京五輪野球代表で金メダルに貢献すると、その疲れも見せずリーグ再開直後の8月13日の
日本ハム戦(同)でも23号を放ってみせた。初の栄冠への期待は高まる一方だったが、翌戦から13試合ノーアーチ。シーズン終盤でライバルたちと激しいデッドヒートを繰り広げている。そんな中、大きな刺激もあった。9月17日に第3子となる次男が誕生。5人の父親でもある
工藤公康監督から「もうひと働き、ふた働きというよりは、十働きぐらいしてもらわないと」とハッパをかけられた主砲が、必ず本塁打王をつかみとる。
写真=湯浅芳昭