そのバットから放たれる一打が、勝利へとつながる。若き主砲・村上宗隆の進化は止まらない。高卒4年目の今季、新たな快挙を達成し、歴史に名を刻んだ。
9月19日の
広島戦(神宮)。初回に右翼席へ放った35号ソロは、通算100号のメモリアルアーチ。21歳7カ月での大台到達は、1988年の
西武・
清原和博(21歳9カ月)を抜くプロ野球史上最年少記録となり「打ててうれしい。思い切りスイングしたので、なんとか入ってくれと思って見ていた。まだまだ若いので、もっともっと上を目指して頑張りたい」。決して満足することなく高みを目指し続ける姿勢こそ、村上のすごさだ。
2日後。21日の
DeNA戦(横浜)では、1回に右翼席への36号満塁弾。通算3本目、今季初のグランドスラムで打点を96に積み重ねた。同日時点で、ともにリーグトップの
巨人・
岡本和真に本塁打は1本差、打点は4点差と肉薄。タイトル獲得への思いを問われた21歳は「もちろん獲れるものは全部獲りたいと思っている」と決意を示した。
昨季は全120試合で四番に座り、リーグ5位の打率.307、ともに同2位の28本塁打、86打点。最高出塁率(.427)のタイトルを獲得したが、狙うのはあくまでも打率、打点、本塁打の3つの主要打撃タイトルだ。開幕前には
山田哲人ともタイトル争いについて言葉を交わすなど、いいライバル関係も原動力になっている。
もちろん、目標は優勝。自身が打てば、頂に近づく。勝利に導く一打は、戴冠への道にもつながる。
写真=BBM