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日本ハム・河野竜生 「最後まで強い気持ちを持った」8度目の挑戦で今季先発初勝利/あの悔しさを胸に

 

中継ぎで実績を残して先発再転向、9月28日楽天戦で先発での今季初勝利を挙げ笑顔を見せた


 河野竜生が渾身のガッツポーズを見せた。先発した9月28日の楽天戦(楽天生命パーク)、2点リードで迎えた6回だ。すでに勝利投手の権利を得ていたイニングでピンチを背負った。連続安打を浴びて無死一、三塁。ここから踏ん張った。四番・島内宏明が放ったゴロを自ら捕球。無駄のない挟殺プレーで三塁走者を追い込んで一死一、二塁。五番・岡島豪郎は左飛、六番・茂木栄五郎は空振り三振で課題の中盤を無失点。マウンド上で感情が爆発した。

 7回からはリリーフ陣が無失点リレーで締め、河野は先発として今季初勝利を挙げた。6回の場面は「気持ち的に引いちゃうとやられると思ったので、常に最後まで強い気持ちを持って投げました」と、振り返った。今季は開幕後に2試合先発も結果が出ず、前半戦は中継ぎとして奮闘。後半戦から先発に再転向していたが、勝負どころで踏ん張りきれない登板が多かった。

 この日は数々の悔しさを糧に、たどり着いた境地が好結果を呼び込んだ。社会人出身のサウスポーは、一発勝負の負けられないトーナメントの戦いをしてきたことで「いつもゼロに、と自分を苦しめていた」という。長いシーズンのプロ野球。先発として試合をつくる上で完璧を求めすぎるのをやめて「気持ちの余裕ができた」。今季8度目の先発マウンドで、一皮むけた。

 反省も忘れない。「先制された回は先頭、フォアボールからっていう形だったので嫌な点の取られ方」と、次への課題も挙げた。9度目の先発となった10月5日のオリックス戦(京セラドーム)では、3本塁打を浴び6回途中6失点で5敗目を喫した。まだまだ課題も多いが、伸びしろも十分な左腕の今後に期待だ。
写真=BBM
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