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DeNA・濱口遥大 納得できない今季、捲土重来を期す/あの悔しさを胸に

 

開幕投手を務め、先発ローテを守っていたが、8月以降はファームで調整を続ける。残りのシーズンで一軍再昇格はあるか


 負の連鎖を止めることができなかった。濱口遥大の心に深く刻まれたのが、4月2日の広島戦(横浜)だろう。「チームが勝てていない状況で、流れをつくることができなかった」。6回を2失点と粘りながら、右足の張りを訴えたこともあって降板。三浦監督に声をかけられたベンチで、悔し涙を隠すことができなかった。当時チーム状態はどん底で、広島にも敗戦。開幕から2分けを挟み、7戦勝ちなしの5連敗とトンネルを抜け出せずにいた。

 プロ5年目はキャンプから順調に過ごし、堂々と開幕投手に立候補した。「気持ちに負けました。『やりたい』と言って、その言葉どおりの取り組みをしてきた」と指揮官も納得させ、初の大役が決定。「魂を込めて投げたい」と決意表明した。しかし、3月26日の巨人戦(東京ドーム)は3回を6失点でKO。4月29日の広島戦(マツダ広島)で初勝利を挙げるまで、開幕5試合で3敗と苦しんだ。手術明けの今永昇太らが出遅れ、駒不足だった先発陣。軸としての仕事を果たせなかった。

 新人で10勝した2017年をピークに翌年から4勝、6勝、6勝。意地もあった。「責任を感じていた」と左腕が打ち明けたのは、6月11日の日本ハム戦(札幌ドーム)でのこと。2年ぶりの完封勝利で、チームの今季初完投も記録した。左脇腹痛も経験し、ここまで5勝7敗、防御率3.94。8月31日を最後に一軍のマウンドから遠ざかっているが、このまま沈むつもりはない。シーズン最終盤だけでなく、来季に向けても欠かせない戦力。熱い復活を待っている。

写真=松田杏子
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