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スパートかける『令和の背番号8』ロッテ・中村奨吾/伝統を背負って

 


 背番号8はロッテにとって「球団の顔」となる数字である。通算2057安打をマークし、「ミスターロッテ」と呼ばれた有藤道世が背負い、リーグ優勝、日本一に輝いた2005年には今江敏晃が着けていた。そして17年からは中村奨吾が偉大な番号を継承している。

 攻守走の三拍子を備えたマルチプレーヤーだ。広角に打ち分ける打撃技術に加え、高い選球眼で四球をもぎとることもできる。ときにはチャンスメークに徹し、進塁打、バントのつなぎ役もこなす。チャンスでは勝負強さも発揮する。

 昨季のチームは首位争いをしながら終盤に大失速した。それは中村奨の打撃状態が落ちていったのに比例するかのように、チーム成績も下降したのだった。「チームと一緒に自分の成績も下がってしまったのが反省材料。もっと最後まで自分が粘れてやれれば……」。そんな言葉で後悔することもあった。

 キャプテンを任された今季は違う。開幕から「不動の三番打者」として、チームをけん引してきた。開幕から好不調の波を小さくし、打率も3割前後をキープしてきた。守備でも二塁手とし、マウンドへ足を運んで積極的に投手へ声を掛けるなど、チームを鼓舞し続けている。

 開幕前にはこんな言葉で誓いを立てた。「背番号8になってから今までの方のような成績は残せていない。残さないといけないし、そういう期待を球団から寄せられて、背番号8を背負わさせてもらっている。まだまだ向上心を思ってやっていきたい」

 優勝という勲章を目指し、『令和の背番号8』はラストスパートをかける。

写真=BBM
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