週刊ベースボールONLINE

オーロラビジョン

西武・栗山巧 背番号「1」で築いたオリジナル像/伝統を背負って

 


“黄金時代”と称された1980年代から90年代前半、広岡達朗監督、森祇晶監督が率いたチームで一際輝く存在だったこともあるだろう。特にオールドファンには長く“ライオンズの背番号「1」=秋山幸二”のイメージが色濃いものだった。1987年に「24」から「1」へと背番号を変更し、93年までの7年間で本塁打王、盗塁王のタイトルを獲得。3度の30本塁打&30盗塁を記録し、89年にはトリプルスリーを達成、さらに85年から93年まで9年連続30本塁打以上を放つなど、球団のみならず日本球界をも代表する存在だった。日本シリーズでも本塁打からの“バック宙ホームイン”でもファンを魅了した。

 そんな球界屈指とも言えるスター選手が背負った栄光の番号を受け継いでいるのが栗山巧だ。2008年から背負うと、この年からレギュラーに定着。自身初の規定打席到達を果たし、最多安打の初タイトルを受賞するなど、「背番号1の後継者」として期待に違わぬ活躍を見せた。その後、安定した打撃と高い出塁率を武器に不動の地位を築き、プレーでも、野球に対する真摯な姿勢でも、チームを力強く牽引し続けている。

 そして、今年9月4日の楽天戦(楽天生命パーク)で球団生え抜き選手として初となる通算2000安打の快挙を達成。まさに、名実ともに、栗山巧オリジナルの背番号「1」像を作り上げたと言っても過言ではない。

 だが、決してこれで満足する男ではない。「これからのほうが勝負。ファンの皆さんの期待にどれだけ応えられるかが価値があることだと思う」。「ミスター・レオ」の挑戦はまだまだ続く。

写真=BBM
オーロラビジョン

オーロラビジョン

週刊ベースボール各球団担当による、選手にまつわる読み物。

関連情報

新着 野球コラム

アクセス数ランキング

注目数ランキング