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中日・高松渡 チームトップのスピードスター/ユーティリティーの極意

 


 ユーティリティープレーヤーの称号を得るにはまだ早い。ただ、その素養があることは間違いない。4年目の高松渡だ。

 大きな飛躍の年になった。与田監督が機動力野球を掲げる中、キャンプから50m5秒8の俊足で存在感を発揮。過去3シーズンで0安打0盗塁だった背番号0は、開幕一軍をつかんだ。開幕戦の3月26日の広島戦(マツダ)でプロ初盗塁、それから間もなく初安打をマークするなど徐々に一軍の水にも慣れていった。

 4月22日のDeNA戦(横浜)で同点の9回二死一塁。一塁走者の高松は木下拓の遊撃内野安打の送球が逸れた間に一気にホームを陥れ、勝ち越しに成功。韋駄天ぶりが世に知れた。

 その後も代走出場が多かったが、チームが来季以降を見据えた戦いになると二塁でのスタメン出場の機会も増えた。9月13日のヤクルト戦(バンテリン)では同点の8回、一死満塁からセンターへの勝ち越し犠飛。

「今までならネクストでベンチを4、5回振り返ってました。今日は『代打』という声が聞こえても無視しようと思いました。それくらいの気持ちで臨みました」と胸を張った。タイトル争いをしている柳に白星をプレゼントした。

 外野でも今季13試合を守っている。「一軍で内野、外野、両方守ることができるように取り組んでいます。もちろんスタメン出場が目標ですが、途中から試合に出場することもあるので、出場機会が増えるよう両方守れるよう頑張ります」。

 ここからチームに欠かせない存在になっていくことだろう。

写真=BBM
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