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西武・呉念庭 内外野を守る勝負強きスラッガー/ユーティリティーの極意

 

今季は2ケタ本塁打もマークした


 今季序盤、西武はレギュラー選手にケガ人が続出し、いくつものポジションに穴が空いたが、そこで救世主となったのが呉念庭だった。内野であればどこでも守れるとあり、山川穂高の離脱中は一塁を、その復帰後は外崎修汰の抜けた二塁を、外崎の復帰後は、中村剛也が足を痛めたため三塁をと、大車輪の働きだった。

 だが、前半戦終了を前に主力組が全員そろうと呉のポジションが失われてしまった。昨年までであればそこでベンチメンバーになるか、登録抹消だったが今季の呉は打撃面が大成長。特に球宴前は得点圏打率.403と圧巻の勝負強さを誇っており、チームに欠かせぬ得点源となっていた。そのため辻発彦監督は東京五輪による中断期間中に外野守備への挑戦を提案。同監督は就任直後から外崎を外野に抜擢し、大成功へと導いている。呉も「入団2年目か3年目に一度やっただけ」だったが、「何事にも挑戦」と即答し、出場機会を増やすために意欲的に取り組んだ。

 そして、ペナント再開2試合目の8月14日楽天戦(メットライフ)に左翼でスタメン起用されると、その後もオーダーのオプションの1つに加わり、シーズン終了まで17試合で左翼での先発出場を果たしている。

「どこで出ても、とにかく打てればチャンスが増えると思っています」と、特に守備位置へのこだわりはないが、早6年目のシーズンだけに、今年にかける思いは強かった。「覚悟してこの2021年に臨んでいます。最後まで戦力として見てもらえるように、とにかくアピールするしかありません」。最後の最後まで猛アピールを続けた。

写真=BBM
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