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“最後の2球”で入れるスイッチ オリックス・山田修義/ユーティリティーの極意

 


 困ったときの“ノブ”がチームを優勝争いに押し上げた。山田修義は常にブルペンでの準備を欠かさない。30歳を迎えた救援左腕は「最悪の状況をイメージしながら、いつも準備していますね」と笑顔で胸中を明かす。

 今季43試合に登板。1勝0敗で防御率は2.27と安定した成績をマーク。勝ちゲームでも、僅差の展開やビハインドでもマウンドに向かった背番号57は、「便利屋」として起用され、スクランブル登板もお手の物だ。

 6月22日の日本ハム戦(京セラドーム)では、二番手で緊急登板し、試合を立て直した。先発・山岡泰輔が1/3回で緊急降板し、急遽マウンドへ。「(準備は)初回からです。もともとトップでブルペンに入る予定だったので」とアクシデントにもきっちりと備えていた。

 一死満塁のピンチから3回まで無失点。チームを10連勝に導いた左腕は、久しぶりのお立ち台に「そっちのほうが苦手なんで……(笑)。(杉本)裕太郎にも『緊張し過ぎやろ!』と言われました」と同学年で同時にヒーローインタビューを受けた。「いつも変わらず、呼ばれたときに自分の投球をするだけです。もしかしたら……と言われていたので、心の準備はできていた」と爽やかに答えた。

 ブルペン投球で心のスイッチを「最後の2球」で入れる。「投球練習中に力を抜いているわけではないですけど、全力になり過ぎず。本当に『行くぞ』と言われたときにラスト2球で仕上げます」。

 中嶋聡監督は「しっかりと投げてくれている」と評価。時折浴びるスポットライトが心地良い。

写真=BBM
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