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ヤクルト・荒木貴裕 貢献し続ける“縁の下の力持ち”/ユーティリティーの極意

 


 あらゆる準備をし、出番を待つ。スワローズにとって荒木貴裕は欠かせない存在だ。プロ12年目を迎え、ベテランの領域に達した34歳は代打に代走、内外野の守備固めと、何でもこなすユーティリティープレーヤーとして輝きを放っている。

 昨年12月の契約更改の場。荒木は立場を理解しつつ「どういう役割になるか分からないですけど、勝ちに直結するものなので点数を取るということは大事にしていきたい」と決意を口にしていた。そして、今年9月11日のDeNA戦(神宮)。守備から途中出場し、3点リードの7回裏に、二死満塁から中堅への2点二塁打を放って勝利に大きく貢献。6年ぶりのリーグ制覇を目指すチームにおいて、なかなかスポットライトを当たることはないが、「縁の下の力持ち」という言葉こそ荒木にとっては最高の賛辞だ。

 高津臣吾監督は常々「次の1点をどうやって取るか、次の1点をどうやって防ぐか」と『1点の重要性』を訴えてきた。そのためには、レギュラーだけでなく控え選手の力も必要不可欠。指揮官は「内野も外野もできて、途中から出ていける人はすごく重宝するというか、こちらにとってはありがたい存在」と評価する。

 シーズン中も休日返上でバットを振る荒木は、まさに「練習の虫」。「やらないと不安なのと、やっていたらまた新しい感覚が出てくるかなというのもある」と常に野球のことを考えながら日々を過ごす。最高の準備を整え、最高の結果を出す。背番号10は今日も“名脇役”として存在感を放つ。

写真=BBM
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