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ヤクルト・奥川恭伸 黄金時代を築く柱になる/飛躍のシーズン

 


 スワローズの将来を担う、新たなエースが誕生したと言っても過言ではない。高卒2年目右腕・奥川恭伸の成長は著しい。10月8日の阪神戦(神宮)では7回途中4安打1失点の力投で9勝目。優勝へのマジックナンバー「11」を初点灯させ、試合後はいつもの“奥川スマイル”を見せた。

 「すごく大事な試合だったので、立ち上がりから全力でいこうと思っていた。自然に力も入りましたね」

 同5日からは巨人、阪神との勝負の6連戦が組まれていた。6年ぶりのリーグ制覇へ、まさに山場。巨人戦で3連勝を飾り、臨んだ阪神戦初戦で好投を見せ、価値のある1勝をつかんだ。

 大きな期待を受けて臨んだルーキーイヤーの昨季は、右ヒジに軽度の炎症があった影響などでノースロー調整も経験。チームの育成方針もあってほとんどの時期を二軍で過ごし、一軍初登板は11月10日のシーズン最終戦(対広島、神宮)だった。

 飛躍が期待された今季は、開幕からローテーション入り。4月8日の広島戦(神宮)でプロ初勝利を飾ると、中10日前後の登板間隔を守りシーズンを通して一軍で投げ続けた。自身は「勝ったという実感は毎試合少ないんですけど、試合の内容を見ているとシーズン初めに比べれば良くなってきていると思う」と謙虚だが、高津臣吾監督は「非常に順調に成長してくれている」と評価。日々大きく、たくましくなっている。

 今後、黄金時代を築いていくためには、奥川が投手陣の柱となることが不可欠だ。10月29日の広島戦(マツダ広島)では、先発しして3回を無失点投球。立ち上がりはやや苦しかったものの、ゲームの中でしっかりと立て直し、修正能力の高さを証明してみせた。自身10勝目とはならなかったが、クライマックスシリーズに向けて、アピールができた。指揮官からの信頼を増している20歳の右腕。今後はチームだけでなく、将来は球界をも背負って立つ投手になるはずだ。

写真=BBM
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