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中日・木下拓哉 谷繁元監督以来の捕手2ケタ本塁打/下位打線で光った

 


「谷繁以来」の四文字が新聞やネットニュースに踊った。9月13日のヤクルト戦(バンテリン)。同点の8回。打席には木下拓哉。3ボール1ストライクから直球を振り抜くと、打球は左翼席へ。

「先頭だったので、絶対出ようという気持ちでいきました。少し差し込まれたので、手応えは80点くらい」。10号勝ち越しアーチを冷静に振り返った。中日の捕手の2ケタ本塁打は2005年に谷繁元信が14本を放って以来16年ぶりだった。

「谷繁さんはルーキーで一軍昇格した際に、試合中のベンチで横に座らせてもらいました。リードとか、打者の反応を見ながら『次、これが来たらこうなるよ』と、ふとした会話だったんですが、それがドンピシャで的中したことは今でも覚えています」

 恩師とも言える入団時の指揮官以来の「快挙」達成に笑顔。今季は得点力不足のチームの中で主に七、八番に座り、印象的な場面での活躍が目立った。

 試合後のコメントでもファンを増やしている。この日は家を出る際に3歳の娘といつものグータッチの儀式を終えると「ちょっと待って」と呼び止められた。

「今日はこれ持ってって」。渡されたのはアンパンマンのキャラクターの1人、あかちゃんまんの人形。木下拓は「正直マジかと思った……」と笑いながらも、球場に着くなり、ロッカーに飾った。

 勝利を呼び込んだあかちゃんまんに「しばらく飾っときます」と笑顔が止まらなかった。守りでもリーグトップの防御率を誇る投手陣をけん引。キノタクの存在感は増すばかりだ。

写真=BBM
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