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阪神・植田海 「矢野野球」に欠かせない切り札、「海」足/ユーティリティーの極

 

試合終盤の大事な場面で起用される植田。足にしても守備にして、その期待どおりの活躍を続けている


 代走と守備の交代要員として出番を待つのは植田海だ。井上ヘッドコーチも「矢野野球には必要不可欠な選手」と貴重な存在であることを認めている。

 優勝争いに参戦した後半戦でインパクトがあったのは、9月25日の巨人戦(東京ドーム)。5対6と敗戦目前の9回表。糸原が粘って四球を選ぶと、すかさず代走に起用された。

 1点を追う緊迫した場面であっても、初球から果敢に二塁を陥れた。無死二塁になったあと、サンズが巨人のクローザー、ビエイラから執念の一打で二塁から植田が生還して追いついた。

 9月3日の広島戦(甲子園)では昨シーズンを上回る10盗塁目を記録。「いつも初球からいけるように準備はしている」と攻撃的な姿勢を貫いている。

 プロ7年目の今季はさらに思い切りが良くなって相手チームからのマークが厳しくなっている。それをかいくぐって1度のみの失敗という盗塁成功率で存在感をアピール。

 そして守備面では、内外野を守るユーティリティーとしての役割をこなしてきた。登録は「内野手」だが、「外野手」としても途中出場してきた。

 主に代走から二塁の守備に入るパターンが多いが、試合によってはレフトを守ったり、近本に代わってセンターに就くシーンも見られた。

 試合の中ではいつ出場機会が来るか分からない難しい立場でも準備を怠らない。それは植田が「チームのために」と集中力を切らさずにいるからだろう。
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