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西武・川越誠司 力強いスイングで相手に重圧をかけた背番号72/下位打線で光った

 

後半戦で数多くスタメン出場を果たした川越


 相次ぐ主力の負傷離脱、成績不振によって打線が固定できなかった今季の西武。その中で、夏の終わりから初秋にかけて九番打者として存在感を示したのが川越誠司だった。

 東京五輪のための中断期間が明けたタイミングで今季3度目の一軍昇格。8月24日のソフトバンク戦(メットライフ)に九番・右翼で約3カ月ぶりとなるスタメンに抜擢されて結果を残すと、その後も期待に応え、9月は全試合出場を果たすなど、後半戦のレギュラーをつかみ取った。力強いスイングで本塁打も打てる強打者とあり、相手に重圧を与えることができるという意味でも、下位に川越を置く意味は大きかった。

 また、特筆すべきはソフトバンク戦の成績だ。対ソフトバンクのチーム打率が.236という状況の中、川越は11試合、39打席に立ち打率.351。中でも打率.176とチームとして最も苦手としている投手の一人である千賀滉大に対して.375と得意としている。今季、チームは同投手の先発3試合で未勝利、わずか2得点と完全に抑え込まれているだけに、来季リベンジを果たすためにも、川越の相性の良さは絶対に欠かせないものとなるだろう。

 一方で、野手転向3年目、長期にわたる連続スタメン出場の経験は初めてであった。相手からの対策も進み、10月の月間打率は.158と、シーズン終盤は成績を大きく落としたのも事実だ。明確となった課題にしっかりと向き合いつつ、低迷してもなお、最終戦までスタメンで起用され続けたことの意義を受け止め、今後の成長につなげていきたい。

写真=BBM
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