週刊ベースボールONLINE

オーロラビジョン

阪神・梅野隆太郎 六番から九番までまさに下位打線の軸/下位打線で光った

 

今季の優勝争いに大きく貢献。CSファースト第1戦での出場はなかったが、この男の力が必要な場面は必ず来るはずだ


 今年5月にFA権を取得した梅野隆太郎は「一番大きいのはケガもなく強い体に生んで育ててくれた親に感謝します」と語った。それは虎の正妻にのし上がってきた特権だった。

 シーズン終盤のヤクルトとの激しい優勝争いでは坂本にポジションを奪われる形になった。しかし、開幕から130試合出場でマスクをかぶった梅野の攻守にわたる働きは、誰もが認めるところだ。

「打席に入る前からしっかりとリズムをとって、気持ちを整理して入ることを心掛けています。チームの好不調にかかわらず、なんとか全員でカバーしていくことですね」

 プロ8年目の2021年シーズンの打順は、六番から九番までを経験し、まさに下位打線のポイントゲッターとなった。打率は低いのだが、得点圏打率となれば、一時5割超えを記録するなど相手チームから警戒された。

 特にチームの弱みだった交流戦では、5月30日の西武戦(メットライフ)で4安打3打点と大暴れした。6月13日の楽天戦(楽天生命)はノーヒットに終わったが、3四球でつなぎ役に徹した。

 最後はヤクルトに優勝をさらわれたが、9月4日の甲子園での巨人戦で「目の前の打席に集中した結果」といって天敵・高橋優貴から逆転本塁打を放つなど勝負強さを発揮した。

 9月中旬から不調に陥った梅野だが、チームを勢いづかせた主力であったのは間違いない。シーズン中に迎えた30歳の区切り。CSでの巻き返しに梅ちゃんの存在は欠かせない。
オーロラビジョン

オーロラビジョン

週刊ベースボール各球団担当による、選手にまつわる読み物。

関連情報

新着 野球コラム

アクセス数ランキング

注目数ランキング