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広島・栗林良吏投手 驚異の奪三振率13.93を支える必殺フォーク/伝家の宝刀

 


 スーパールーキーが「伝家の宝刀」を引っ提げ、数々の記録を打ち立てた。開幕から22試合連続無失点は、2リーグ制後の新人記録で、球団記録となった。永川現コーチが持つ球団新人最多セーブ「25」を大幅に更新し、最終的には2015年山崎康晃(DeNA)が持つ新人最多記録の37セーブに到達し、20試合連続セーブは09年岩瀬仁紀(中日)に並ぶプロ野球歴代2位タイだった。

 53試合の登板で、防御率は圧巻の「0.86」。一度もセーブ機会で失敗することなく、シーズンを終えた。快挙を支えたのは「フォーク」だ。最速154キロの直球とカットボール、カーブを織り交ぜながら、切れ味抜群のフォークで次々に三振を奪っていった。30試合以上投げた選手に限れば、奪三振率は両リーグトップの「13.93」と驚異の数字を残した。

 フォークを習得したのは大学時代だった。恩師と慕う元中日の投手で、現在は名城大のコーチを務める山内壮馬氏から教わった。山内氏は栗林が大学2年の冬にコーチに就任。直球とスライダーしか持ち球がなかった右腕に、フォークとカーブを伝授した。トヨタ自動車でさらに磨きをかけ、プロ入り後も永川投手コーチから「真ん中でもいいから、強い角度で落ちていく球を投げられたらベスト」と狙いどころを助言され、幾度となく生かした。

 最強の武器を駆使し、1年目から球界を代表する守護神となった。打者が「来る」と分かっても、打てないボール。来季も三振を量産していくに違いない。

写真=BBM
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