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ヤクルト・原樹理 右の強打者をねじ伏せるシュート/伝家の宝刀

 


 右打者の内角をえぐり、踏み込ませない。原樹理にとってシュートは、まさに生命線となる変化球だ。東洋大時代に習得してから武器としており、ここぞの場面でも威力を発揮した。

 優勝へのマジックナンバーを「3」として迎えた10月24日の巨人戦(神宮)。先発マウンドに上がった右腕は1回、一死一、二塁のピンチを招いたが、伝家の宝刀が効いた。相手の主砲・岡本和真をシュートで空振り三振に抑えると、五番・中田翔はシュートでカウントを稼ぎ、最後は三飛に。お立ち台では「最後は腹をくくってやるしかないと思ってマウンドに上がった。1回からピンチで苦しかったんですけど、自分の結果より、チームが勝てば自分のことなんてなんでもいいやと思って投げていました」と汗をぬぐった。

 大卒で入団して6年目。やっと花が開きつつある。2015年のドラフト会議で1位指名され、入団。ルーキーイヤーから先発を任されているが、キャリアハイは30試合に登板し6勝を挙げた18年。ここ数年は故障もあって思うような成績を残せていなかった。

「この2年間ぐらいあまり投げられていなかったので、そこは自分に対して情けない気持ち、みっともない気持ちがあった。その点に関してこれ以上はというところで、自分自身に言い聞かせてやってきました」

 今季は9試合に登板し3勝1敗、防御率2.30と安定した成績を残している。クライマックスシリーズファイナルステージでも好投を期待され、11月12日の巨人戦(神宮)に先発。だが、2回に大城卓三の打球が直撃し、右手を負傷。無念の降板となった。チームは引き分けで日本シリーズ進出を決めたが、原にとっては悔しさの残る1戦となった。

写真=BBM
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