
今季はチーム最多の130試合に出場した呉
最終的な成績は打率.238に終わったが、前半戦終了時点では.272、交流戦では.333のハイアベレージ。さらに、シーズン通して10本塁打、48打点を記録し、チームに大きく貢献した。終わってみれば
呉念庭はチームトップの130試合に出場し、一躍主力の一角へと成長を遂げた。
プロ6年目。強い危機感を持って挑んだシーズンだった。開幕は二軍で迎えたが、間もない3月31日、
栗山巧、
山川穂高の故障離脱でいきなりチャンスが巡ってきた。同日の
日本ハム戦(札幌ドーム)、第2打席でプロ初本塁打を放ち、強烈なインパクトを残すと、4月3日の
ソフトバンク戦(PayPayドーム)で猛打賞、翌4日の同カードで2号本塁打と猛アピールに成功。レギュラーを勝ち取ると、クリーンアップも任された。一時は四番に座ったこともあったほどだ。
圧巻だったのが前半戦で見せた勝負強さだ。3・4月、5月、6月の得点圏打率はそれぞれ.400、.583、.417と驚異的な数字を叩き出した。チャンスで呉に打席が回ると、ベンチもスタンドも自然と盛り上がり、それだけで相手バッテリーにプレッシャーを与えられるという意味でも見事だった。
初めてシーズン通して一軍の試合に出続けたため、これまで味わったことのない疲労や相手チームからの厳しい対策などもあっただろう。後半戦から失速した感は否めなかった。だが、9月の打率が再び.279と状態を上げられたことは、今後への大きな収穫と言えよう。
今季の活躍が決して一過性のものではないことを証明し、来季はレギュラーの座を不動のものとしたい。
写真=BBM