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歓喜を呼んだ地道な作業 オリックス・伏見寅威/陰のチームMVP

 


 女房役が陰のMVPだ。伏見寅威が、25年ぶりリーグの優勝を喜んだ。10月27日の京セラドーム。2位・ロッテが敗戦する瞬間を見届けると、熱血漢の兄貴分も、大はしゃぎだった。

 31歳の伏見は、若手の面倒見役を務める。日ごろは優しく、ときには厳しく──。適度な距離感を保つため「自分はお兄ちゃんとは思われてないと思う」と心境を吐露し「先生。うるさい先生、生徒指導の先生、絶対そう思われてるよ」と破顔する。

 試合前ウオーミングアップは「定位置」の左端最前列で声を張る。ベンチでは中央付近に腰掛けての「パイプ役」も務める。

 マスク越しの分析も生きる。ナイターゲームでも必ず午前中に球場入りし、先発投手の映像をチェック。

「どこが良いのか、どこがダメなのか。良い部分を引き出すためには、その発見の連続なんです」

 20歳の宮城大弥山崎福也を好リードで支えた女房役。地道な作業の繰り返しが、歓喜を呼んだ。

 今季のチームの強みを尋ねると「チームの雰囲気変わったよね。(性格が)明るい人が多くなったよね。ラオウ(杉本裕太郎)、宗(宗佑磨)、福田(福田周平)……。みんな野球にすごく熱いし、楽しんでいる。そういう選手が試合に出ているから、チームも乗る。中嶋(中嶋聡)監督も叱ったりしないし、どんどん、いけみたいな感じだから雰囲気が合っている」と分析する。

 9年間在籍するチームに愛着がある。プロ入り初めてVの美酒を味わっても「まだ何も成し遂げていない」と力を込める。陰で支える女房役の目には日本一しか映っていない。

写真=BBM

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