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ソフトバンク・甲斐拓也 三振→確実性で指揮官の構想に応える/わがチームの“○○王”

 

全143試合に出場も、ほぼ同じ数の三振。「二番・甲斐拓也」の実現には確実性が必要となる


 不名誉な数字を必ず来季の巻き返しにつなげる。球団の捕手としては野村克也城島健司以来となる全試合出場を果たした甲斐拓也は、打っては自己最多の12本塁打、44打点をマーク。その一方で、試合数とほぼ同じ142三振を喫した。チームの“三振王”にとどまらず、これはリーグワーストの数字。今オフ就任した藤本博史新監督も「2ケタ本塁打は立派だけど142三振は多い。差し引いたらマイナス」と、V奪回へ向けて正捕手の打撃力も重要となってくるだけに、敢えて厳しい言葉で奮起を促した。

 本人ももちろん今季の屈辱を晴らす覚悟だ。「体を鍛えることも大事だけど一番は打撃面」。4年連続日本シリーズの昨季までとは違い、今年は宮崎秋季キャンプでみっちりバットを振り込んだ。藤本監督の手厳しい言葉も大きな期待の裏返しで、「(一〜四番の)間に右打者に入ってほしい。捕手だから二番はダメ、一番はダメとか固定観念はない。(甲斐の)状態が良ければ」と来季の二番起用構想があることも明言。一番は左打者が入ることが濃厚で、中軸には柳田悠岐栗原陵矢と左打者が構えるだけに、確実性をアップさせた上で甲斐につなぎ役を任せたい考えだ。

 今季は1試合だけだったが、5月22日のオリックス戦(PayPayドーム)で球団の捕手としては80年ぶりに二番で出場した甲斐も、そのリクエストに応えるつもりだ。これまでより逆方向への打撃意識を強め「いい感覚というか来年につながるようなものがある」と強調。つなぎの打撃で三振数を減らし、チームのV奪回につなげる。

写真=湯浅芳昭
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