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楽天・則本昂大 チームの勝利のために/わがチームの“○○王”

 

エースの本領発揮はこれから


 チーム最多勝にも、まったく満足はしていなかった。今季、23試合に登板しチーム最多となる11勝(5敗)を挙げた則本昂大は、険しい表情で今季を振り返った。「15勝ぐらいは、しっかりと勝たないといけないと思うので、それぐらい勝てるようにやりたい。物足りないシーズンになった」。シーズン15勝という高い目標を実現すべく、全力を尽くすと誓った。

 過去2年連続で5勝に終わった反省を生かそうと、オフからフォーム修正を含めて入念な調整を続けた。熟考の末、ワインドアップを解禁。結果的にはこの決断がプラスに働くことになる。まずは直球のキレが増した。自慢の剛球が復活したことで、スライダー、フォークを含めすべての球種の威力が増した。

 勝利数だけではなく、奪三振数も152でチームトップ。10月27日のロッテ戦(楽天生命パーク)では、右腕としてはNPB史上最速となる通算1448回2/3で、通算1500奪三振を達成した。史上58人目の快挙でもあるが、この記録も心からは喜べなかった。2013年以来8年ぶり2度目のパ・リーグ優勝を目指したチームは3位に沈み「今年は優勝争いをしながら、最後は力及ばず3位に終わってしまって、悔しい終わり方だった」と唇をかんだ。

 節目の通算100勝まであと4勝。ただ、来季の目標はリーグ優勝だ。右腕は「1年間、軸となってやれるようにオフにしっかりと準備したい」とさらなる成長を誓った。個人の結果は指標の一つに過ぎない。チームを勝たせるために全力で腕を振る。

写真=BBM
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