一軍でプロ初アーチを含む5本塁打を放ち、飛躍のシーズンとなった
万波中正にとって2021年シーズンは、大ブレークへの足がかりをつかんだ1年だった。開幕一軍入りこそ逃したが、4月9日に2年ぶりの一軍昇格。同10日
オリックス戦(京セラドーム)は「七番・右翼」でスタメンに名を連ねると、5回の第2打席でプロ初安打となる二塁打を放った。「ファームでやってきたことが、そのまま出せた」と喜んだ。
試合中は大きな声で味方を鼓舞し、攻守交代や凡打でも全力疾走を続けた。「そうしたら、チームとして絶対に何か変わるから、と」。春季キャンプも二軍スタートだったが、キャンプイン時に前二軍監督の原田豊氏から訓示された約束事。二軍でも一軍でも、変わらない姿勢で野球と向き合い続けた結果、交流戦にはプロ初本塁打も飛び出した。
6月13日
DeNA戦(札幌ドーム)で左中間スタンドへ1号ソロ。プロ3年目での待望のアーチは
今永昇太から。1年目のオープン戦で初めて対戦した相手で、当時は空振り三振だった。「そのときは手も足も出なかった。その投手から打てたというのは、自分の成長を感じられます」と、思い出深い本塁打となった。
今季はキャリアハイの49試合出場で5本塁打、二軍でも65試合出場で17本塁打を記録した。一、二軍合わせて114試合出場と経験を積んだが、実感したのは体力不足。今オフは「1年間、走りきれる体力を」と肉体強化に励むつもりだ。ビッグボスこと
新庄剛志監督はチーム強化として若手育成に主眼を置く。来季も元気よくグラウンドを暴れ回って、レギュラーをつかむシーズンとする。
写真=BBM