中日の大島洋平にとって、あと1つが遠かった。8月29日の
巨人戦(バンテリン)で盗塁を決め、通算249になった。250盗塁は過去46人が達成。球団では1966年の
中利夫、71年の
高木守道、2009年
荒木雅博の3人しかいない。
球団史上4人目の記録達成はすぐにでも達成と思われたが、そこから立て続けて失敗が続き、そのままシーズンは終了した。今季16盗塁という結果に「自分の中でも少ないことは実感している」と悔しそうだった。
来季37歳。通算1748安打と2000安打へ向けても重要な1年を迎える大島が、オフに取り入れているのが「神経伝達機能」の向上を目指したトレーニングだ。
「脳を鍛えています。『鬼滅の刃』なら全集中、ドラゴンボールならスーパーサイヤ人のイメージ」。その心はと言うと……。「人は目で現象を察知して、脳で処理して、そこから指令を出して、体のいろんな部分が動く。いかに正確に認知して早く指令を出せるかですね」。
例えば、目を閉じて歩行することでもトレーニングにつながるという。「目から入ってくる情報は多い。そこに頼り過ぎるとほかの部分の機能が落ちる。年齢に関係なく動けるように体を見つめ直しています」と説明する。
立浪新監督からもすでにレギュラーとして期待の言葉を掛けられている。「小学生のときは立浪さんのモノマネをやっていましたし、すごく憧れの選手。やっと一緒に野球ができる。裏切らないようにやっていきたい」。
250盗塁、そして2000安打への足掛かりに。大島が新体制でも躍動する。
写真=BBM