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ソフトバンク・松田宣浩 プロの世界の必定を受け止めて/記録への挑戦

 

若い選手の台頭に、松田は待ったをかけられるか


 初めて全試合出場を果たしたのは2011年。そこから19年の9年間で7度の全試合出場。球界を代表する元気印・松田宣浩だが、今季はベンチを温めることも珍しくなくなった。伸び盛りの栗原陵矢が本職の捕手の枠を出て、外野に加えて三塁も兼ねる。シーズン終盤にはリチャードの台頭もあった。押し寄せる世代交代の波の中でもがきながら、松田は自身の居場所をつかもうとしている。

 ソフトバンク一筋で16年。今季も節目を刻んだ。9月29日、本拠地・PayPayドームでの西武戦。左腕・浜屋将太から放った、左翼ホームランテラスに飛び込む2ランで、プロ通算300号に到達した。「300本はやっぱり誰でも打てる本数じゃないと思うし、打ててよかった」。プロ野球44人目。球団では野村克也門田博光松中信彦小久保裕紀に続いて5人目だった。150、200、250、300号、いずれも本拠地で放つのが松田らしい。「まだまだ通過点」とも言った。

 36歳シーズンの2019年にシーズン30発を放ち、残り26本としてからが長かった。20年は打率.228、13本塁打。途中、連続試合出場も815で途切れた。残り13本で迎えた今季も、達成はシーズン終盤だった。

「自分の結果が出なかっただけのこと」。プロの世界の必定を受け止め、松田は来季を見据える。次なる節目は、通算1000打点があと「16」に迫る。来季の三塁はリチャードらとの競争。藤本博史新監督は「空けているわけじゃない」と強調し「マッチ(松田)も『明け渡さん』とやってくるだろうし、競争がすごく激しい」と期待する。待ったなしの争いの中で、松田は何を成し遂げるだろうか。

写真=BBM
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