若手を引っ張るような投球を目指す
プロ野球史上50人目となる大記録を、はっきり視界に捉えた。
岸孝之は2021年、25試合に登板し9勝10敗、防御率3.42をマーク。通算勝利数を141まで積み上げた。節目の通算150勝まであと9勝。「自分の数字で言うと、150勝をまず目指して頑張りたいなというところはある。そのためにも、しっかり先発ローテーションに入れるようにしないといけない」と37歳で迎える22年に向けて目標を語った。
プロ15年目も圧巻の投球術を見せた。象徴的な試合が3月30日の
ロッテ戦(ZOZOマリン)だ。8安打無四球。たった107球で、自身18度目の完封勝利を飾った。キレのある直球を内外角に配し、7回までは二塁すら踏ませなかった。カーブとチェンジアップで緩急をつけて、相手打線を幻惑し続けた。
ただ5月は4試合に登板して0勝2敗と苦しむなど、一時は失速。終わってみれば3年ぶりの2ケタ勝利には届かなかったが「10勝はできませんでしたけど、どこもケガすることなく1年間をやり通せた」。17年以来4年ぶりに25試合以上に登板し、納得の表情も見せた。
同学年の
牧田和久が今季限りでチームを離れたため、来季はチームで唯一の最年長投手となる。「やっぱり若い選手に負けないようにというところもある。しっかりと引っ張っていけたらなという思いはありますし、いい投手がたくさんいるんですけど、負けないように」と意気込んだ岸。18年以来となる2ケタ勝利をマークして、記録達成に花を添えるつもりだ。
写真=BBM