このままでは終われない。悔しさを力に変える。チームが20年ぶりの日本一に輝いた裏で、石山泰稚は雪辱に燃えていた。
「チームとしては最高の結果になってよかったと思うんですけど、個人的には満足のいく結果ではないですし、本当に来年やり返してやるぞという気持ちですかね」
12月上旬の契約更改の場で、そう決意を明かした。シーズン序盤は抑えを任されたが、不調で5月上旬に
マクガフにその座を譲り、6月下旬には二軍降格も経験。自身で原因を分析して把握したが、シーズン中に修正することができなかった。試行錯誤を繰り返すも結果はついてこなかった日々を「すごく苦しかったですし、悔しかったですし、きつかったですね」と振り返る。
節目の数字が近づく。通算85セーブとしており、100セーブまで残り「15」。クローザーに返り咲けば、見えてくる記録だ。「しっかり結果を出して、信頼を得られるように1試合1試合やっていきたい」と謙虚に語るが、石山が抑えに復帰すれば、
清水昇、マクガフと鉄壁の勝ちパターンが出来上がる。
プロ10年目となる来季へ向け、オフは「一から身体を作り直す」と一年間戦い続けられる体づくりに専念する。「追い込みます。メニュー量であったり回数であったり、より濃くやっていこうかと」と意気込んだ。
球団初となる2年連続日本一を目指す2022年。9月に34歳を迎える右腕が試合を締めれば、おのずと2年連続の頂が見えてくる。
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