右ヒジのトミー・ジョン手術を2020年9月に受けた種市篤暉の目は輝いている。昨季は実戦マウンドに上がることができなかったが、今季への手応えをつかんでいる。
「だいぶ良くなっていて、手術前ぐらいの投球はできている。投球間隔も2日に1回とか全然できる。キャンプにもいい感じで入れるんじゃないかな」
すでにブルペンで投球練習も再開。昨春の石垣島キャンプでは軽めのネットスローだったが、夏にはキャッチボールにステップアップし、9月になって傾斜での投球に入った。
「大丈夫かなと思いながら投げていたけど、急激に良くなった。トミー・ジョンって、こんな感じなんだなというのが分かりました。指の感覚的には逆に良くなっている」
150キロを超える剛速球に、落差あるフォークで三振も量産できる。19年に9勝し、20年の故障前にはプロ初完封も達成した。
佐々木朗希と並ぶ将来のエース候補だ。
今季で6年目を迎え、24歳の「年男」となる。「目標は何勝とか、そういうのはあまり考えていない。1日1日、全力で頑張っていこうと思っています」と初心に戻ってチャレンジャー精神で挑む。
昨季のチームは最後まで優勝争いを繰り広げた。
「活躍した人もたくさんいた。それを見て頑張らないといけないなと思いながら試合も見ていた。(佐々木)朗希もそうだし、河村(説人)さんもローテーションに入って抑えていた。僕は1年目の気持ちで頑張っていかないと、一軍で投げさせてもらえない」
さあ、充電したパワーを一気は解き放つ番だ。
写真=BBM