昨季初めて規定投球回をクリアした。小笠原慎之介にとっては真価の問われる「2年目」の2022年になる。
「本当に今年が大事ですね。ようやく準備は整いつつある。あとは大爆発できるようにするだけです」
新年早々、その表情は頼もしい。6年目の昨季はチーム最終戦だった10月26日の
阪神戦(甲子園)で6回無失点と好投し、規定投球回143回を3分の1上回った。併せて勝ち星も自己最多の8 勝に伸ばした。
今季は自身初となる2ケタ勝利と防御率2点台に加え、昨季チームトップだった柳を超える投球回173回を目標に掲げる。
「1年間投げて体が思うように動かないこともあった。そのためにも体のことを熟知しないといけないし、もっと有意義に24時間を使いたい」
1月4日には愛知県知多市の海岸で世界マスターズ陸上競技選手権大会110メートル障害で3連覇した吉岡康典さん(46歳)と合同トレーニング。砂浜で約2時間半、ダッシュやジャンプを繰り返しながらみっちりと汗を流した。
「ためになることがたくさんあった。他競技の人から教えてもらうのは新鮮。きつかったけど楽しめた」と充実の表情を浮かべた。
小笠原が見据えるのは竜のレジェンド
山本昌さんの道のりだ。山本さんは高卒6年目で規定投球回に達し、7年目に初の2ケタ勝利を達成している。
小笠原は「それは照らし合わせないでください」と笑ったが、狙うのは主役の座。大野雄、柳に追いつき追い越せ。この左腕の成長度合いがドラゴンズの命運を握る。
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