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ソフトバンク・リチャード 世界の本塁打王と交わした約束/2年目のジンクスに挑む

 

王会長への恩返しのためにも、リチャードは40発達成を強く誓う


 昨季ド派手なデビューを飾った鷹の大砲が、勝負の2年目に挑む。9月5日のオリックス戦(PayPayドーム)。3日前にプロ初出場を果たしたばかり、これが3試合目の出場だったリチャードが強烈なインパクトを与えた。1点を追う4回一死満塁。フルカウントから増井浩俊の投じた149キロの直球を完璧にとらえ、左中間席中段にたたき込んだ。記念すべきプロ1号は、逆転の満塁弾。さらに新星はこれだけにとどまらず、7回にもソロを放つなど1試合2発で6打点と大暴れした。

 期待の大砲が、ようやく開花し始めた。沖縄尚学高から育成ドラフト3位で2018年に入団。類いまれなパワーに惚れ込む王貞治球団会長からは幾度となく熱血指導を受け、20年に支配下登録された。二軍で結果を残し昨年9月に一軍デビューすると、そこから約2カ月で7発を量産。昨季の出場は34試合で、シーズン143試合に換算すれば29本塁打となるハイペースだった。チームトップの柳田悠岐が28本塁打だったことを考えても、その長打力にかかる球団からの期待は大きい。

 それだけに“一軍実質2年目”となる今季は、相手からマークも当然厳しくなることが予想される。それでも、昨秋キャンプでは連日指導を続けてきた王会長から「強い気持ちを持てばいける。俺とお前で40本にするぞ」と、強烈なハッパをかけられた。23歳のシーズンで40発をマークしたのは、その王会長ら過去2人だけ。「40本は王会長と約束した。目指すのはそこ」。世界の本塁打王と交わした男の約束を、リチャードは必ず果たす覚悟だ。

写真=湯浅芳昭
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