プロ3年目の昨季は開幕スタメンにも抜てきされ、78試合に出場した。2ケタ本塁打まで1本届かなかったが、入団から2年間は一軍昇格できなかった山口航輝にとっては貴重な経験となり、大きな自信になった。
「一軍の舞台で試合に出られたっていうのは、本当によかった。自分の力のなさも分かったし、逆にホームランも9本は打てたんで、そこはよかったかなと思います」
今季が実質2年目であり、勝負の4年目を迎える。昨年末の契約更改の席では、球団から20本塁打を期待されたが、和製大砲が目指すのはさらに大きな数字だ。
「昨季は10本打ちたいと思ってやって届かなかったので、目標は大きく30本目指すぐらいでいって、最低20本打てたらいいな」
昨年を振り返れば、前半は自分のスイングをすることしか考えていなかった。それでも、後半になると余裕も生まれた。「ボールの見極めとか、打つべきボールを打つことで結果につながった」と打席の中での手応えもつかんでいる。
本塁打数を増やすためには、出場機会、打席数も増やさなければならない。登録は外野手だが、「自分は外野も内野もあんまりこだわりはない。試合に出れるほうでアピールしてきたい」とCS後の秋季練習では一塁の守備練習にも取り組んだ。
「新年に 刻む想いは 30発」――。中学時代に川柳で特別賞を受賞した経験がある異色のスラッガーは、大阪の実家で詠んだ新年の決意を現実にする。
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