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広島・栗林良吏 守護神として、2年連続失敗ゼロに/2年目のジンクスに挑む

 

ルーキーイヤーは広島、日本のクローザーとしてフル回転だった栗林


“失敗しない男”に2年目のジンクスは存在するのか。ルーキーイヤーに圧倒的なインパクトを残した栗林良吏は、熾烈な新人王争いを勝ち抜き、念願のタイトルを手にした。53試合に登板し、0勝1敗。セーブ数はプロ野球新人最多タイ記録の37で、防御率は圧巻の0.86だった。

 まさに記録ずくめだった。開幕から守護神に抜てきされると、2リーグ制後の新人記録を更新するデビューから22試合連続無失点をマーク。東京五輪でルーキーながら侍ジャパンに選出され、全5試合に登板し2勝3セーブとMVP級の働きぶりを見せた。連続試合セーブ記録は2009年の岩瀬仁紀(中日)に並ぶプロ野球歴代2位タイの「20」を達成した。37度あったセーブ機会を1度も失敗しなかっただけに、「無敵」という言葉が右腕に似合う。

 栗林を支えた1つが、宝刀フォークだ。まさに「来ると分かっていても打てないボール」として、要所で打者を粉砕した。奪三振率は驚異の13.93を記録。たとえ四球などで走者を背負ってピンチを招いたとしても、自らも絶対的に信頼を寄せる決め球によって、幾度も窮地を脱した。

 2022年シーズンも守護神で起用されることが決定的となっている。目標については「守護神ならセーブの数を期待されると思いますけど、21年の『37』はチームが機会をくれたということ。セーブ数にはこだわらず、しっかりセーブシチュエーションで、21年同様、勝ちのまま終われるようにしたい」と独自の考えを示す。この男に「ジンクス」という言葉は似合わない。

写真=BBM
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