昨年のルーキーの中で大器の片りんを示したのは秋広優人だった。二松学舎大付高からドラフト5位で入団した身長2メートルの左打者は今季、かつて
松井秀喜が背負った栄光の背番号55を与えられ、2年目の飛躍を期待される。
「成長した姿をアピールして、一軍にはい上がれるようにやっていきたい。背番号に恥じないように責任と自覚をもって、いずれは55本塁打を打てるような選手になれるように頑張りたい」
昨年、高卒1年目ながら「春の主役」になった。2月の宮崎キャンプ中に一軍に昇格すると、アピールを続けて開幕スタメンを争うまでになった。結局、開幕は二軍で迎えたものの確かな存在感を示したと言える。その後はファームで経験を積み、9月29日の
中日戦(バンテリン)では代打でプロ初打席を経験し、結果は左飛。それでも二軍戦では82試合に出場して打率.229、8本塁打、26打点だった。
「高校のときは毎日試合に出るわけではなかったので、やはり精神的な疲れ、蓄積する疲れもというものもありました。プロの投手の球にも対応できない日が続いていたので、壁を感じた1年でした」と、プロの厳しさを知った経験を2年目の今季に生かすつもりだ。
オフは
中田翔の自主トレに同行を志願。沖縄での鍛錬で一塁守備の技術と、長距離砲としての打撃技術を盗む。25歳の
岡本和真よりも若いレギュラーがいないチームで、19歳の「大物」が次世代の顔として頭角を表すことができるか。
写真=BBM